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養護教諭にとって、楽しいことやうれしいこと、また苦労することや大変なことにはどのようなことがあるでしょうか。子どもの成長を見守るうえで、養護教諭全体に共通することがあれば、個人的なこともありますが、ここでは、ある養護教諭の話を紹介しましょう。
子どもが元気になり、成長を感じることが楽しい
「純粋な子どもから頼られることはもちろん、素直に自分の話を聞いてくれる子どもはかわいくて見ているだけで楽しい」と、ある養護教諭は話します。元気になって帰っていく姿を見るとうれしく、やりがいを感じるそうです。
子どもの心にすっと入れて、その子が聞いてほしいと思っていることを聞いてあげると、暗い顔で保健室に入って来た子は笑顔になって出ていきます。毎日保健室に来てはツーンとしていた子が声掛けすることでよくなっていき、気づくとみんなの代表としてリーダーになっていることもあります。そんなときはとてもうれしく、子どもの成長を感じると言います。子どもには子どもの世界があって、子どもなりに大変だとは思うものの、大人が思いつかないような遊びをしていたり、小さなことで大笑いしたり、子どもから元気をもらうことも多いそうです。
あるとき、お腹が痛いと訴えてきた子どもがいました。話をよく聞いて便秘だと判断し「お腹をマッサージしたりするといいよ。お水をよく飲んで運動してね」と教えたところ、後日「先生、出た!」と報告しに来てくれたそうです。自分が言ったことを素直に実践していて、なんてかわいいのだろうと感じるとともに、ほかの子どもに自分の教えを伝えていたことがわかり、影響力の大きさに身が引き締まる思いをしたそうです。
また、この子たちは大きくなったらどんなふうになるのか、成長が楽しみだと言います。勉強は教えたことを全部使わないかもしれませんが、健康については大人になっても役立つことばかりなのでやりがいがあるそうです。今教えたことがこの子の健康の基礎になる。体を作り、生活習慣の土台になると思いながら、仕事をしているそうです。身についた習慣は体に残っていくのです。
何をするのも一人なので大変
養護教諭は学校に一人だけなので多くの業務に対応しなければなりません。子どもの健康に関することはすべて業務になり、全校生徒を健康にするためにどうしたらいいかを考えて企画、運営、統計まで行います。そのためには全員の先生とコンタクトを取らないといけません。考えが合わない先生でもうまく付き合わないと仕事が進まないので、苦手な先生はつくらないように努力します。
昼間は子どもたちと接することを第一にすると、どうしても放課後に業務が溜まりがちです。緊急搬送があったらつきっきりになってしまうので、予定が狂ってしまうこともあります。一人しかいないので、自分がやらなければ何も進みません。逆に、一人だからこそ自分のベースで仕事を進められるという利点もあります。
また、子どもは体が小さいので急変することがあります。対応を誤ると保護者からクレームを受けることもあるので細心の注意が必要です。いつも『ていねい』を心がけ、『念のため』を大切にします。
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