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歯科衛生士という職業が日本に誕生したのは戦後のことで、比較的新しい仕事と言えます。当時はまだ衛生状態が悪く虫歯になる人が多かったので、その予防が主な仕事でしたが、今では歯科衛生士に求められる役割が大きく変わってきています。
誕生から現在の仕事内容になるまで
日本に歯科衛生士が誕生したのは1948年です。戦後のこの時期は、まだ衛生状態が悪く、虫歯になる人がいまよりも多かったといわれています。この年に歯科衛生士法が制定され、都道府県が実施する試験に合格して知事から免許を受けた人が、歯科衛生士の資格を得られることになりました。
この頃の歯科衛生士の仕事は、保健所で働いて、歯にフッ素を塗るなどして虫歯の予防をすることでした。それが1955年の法改正で、歯科診療を補助することも歯科衛生士の仕事になり、病院や医院で働けるようになりました。1989年からは歯磨きの方法を教えるといった歯科保健指導も仕事に加わり、現在にいたっています。国家試験になり、大臣の免許になったのは1992年からです。
歯科衛生士は女性だけの資格ではありません。1948年に制定された歯科衛生士法は基本的に女性を対象にしていましたが、男性にも法律を「準用」する規定がありました。つまり、男性も歯科衛生士になれるのですが、最近までほとんどいなかったとみられています。
正確な人数がわからなかったため、厚生労働省は2年に1度行う調査で、2016年から男性の人数も調べるようになりました。
歯科検診の受診率は49%
日本歯科医師会の2016年の調査では、日本の歯科検診の受診率は49%でした。受診率はだいたい50%前後で推移しています。しかし、アメリカの受診率は70%を超えているといわれ、日本でもっと歯科検診を定着させるには、歯科衛生士の活躍が欠かせません。
歯科衛生士法の2014年の改正では、歯科衛生士が患者さんの予防措置をするときに、医師が立ち会って直接指導をしなくてもよくなりました。今後は歯科衛生士だけで老人ホームや家庭などに出向いて、口の中のケアをすることが増えていくとみられています。
歯科医院での仕事も、最近は医師の診療の補助よりも、歯のクリーニングなど歯科衛生士ならではの仕事が中心になってきました。生活習慣、ブラッシング、食生活などについて総合的に指導できる歯科衛生士が増えれば、いま以上に歯科健診の受診率が向上すると期待されています。
日本の歯科衛生士は、約70年の歴史をもつ職業です。高齢者が増えていくこれからは、医療や介護との連携も、いままで以上に求められるようになるでしょう。
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