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考古学とはどんな学問?

中学や高校の社会の授業で、旧石器時代や縄文時代の人々の暮らしぶりを学習したと思いますが、文字のない時代のことですから、手掛かりは遺跡から出土した遺物以外にいっさいありません。ヒントと答えはすべて地中にあるのです。そこで彼らが生活した場所(遺跡)を発掘調査します。こうした学問を考古学といいます。

※このコンテンツは2018年の取材に基づき構成しています

ヒントと答えはすべて地中に

遺物から人類の歴史を明らかにする

歴史の教科書には、縄文時代の人々は竪穴式住居や土器や石器を利用して暮らしたと書かれています。しかし文字のない時代のことがどうしてわかるのか不思議だとは思いませんか。書物や資料がなくとも、遺跡を発掘すると建物跡やさまざまな道具などがみつかり、当時の暮らしぶりが見えてくるのです。そういった調査・研究に取り組む学問が考古学です。考古学の目的は人類の歴史を明らかにすることです。その点、歴史学と似ていますが、歴史学が文字で書かれた資料を頼りにするのに対し、考古学は土の中から発掘された道具や食べ物といった、いわゆる遺物から人々の活動の全般を明らかにするという点に特徴があります。考古学の研究領域は人類誕生以降、すべての時代が研究対象となります。ですから、江戸時代に使われた玩具や、戦時中に造られた防空壕なども、研究テーマにしますが、あくまでも人類を中心とした学問なので地球上に人間が現れる前に生きていた、恐竜の化石などは対象としません。

発掘調査から報告まで

資料乏しい歴史を解明していく考古学ならではの調査が、遺跡や遺物の発掘です。労力を要する作業ですが、ささいなことも見逃せない緻密さが求められますから、測量一つにもさまざまな機器を用いますし、ノートやカメラでどこからどんな物が出てきたのかをもらさず記録していきます。発掘作業の醍醐味といえば、やはり遺物の発見です。何千年もの間、誰も触れていない遺物を掘り当てたときの感動は、発掘者にしか味わえないと言います。発掘したものは、研究室に持ち帰って土などを落とし、場所や地層、状態などを記載した名札をつけて、素材や使いみちによって分類します。土器などの破片は、色や形や模様などに注目しながら、ジグソーパズルのようにつなぎ合わせて復元します。破片がみつからなければ復元をしたり文様の拓本などを採ったりして研究の資料として用います。
最終的には、出土品の情報や歴史的意義などを報告書にまとめます。そしてこれらの成果を用いて論文を作成し、その成果を広く公表します。こうした研究の積み重ねが、考古学の発展を支えています。

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